セフィロスはクラウドの大切なモノを奪いたがる。それは前回の「エアリスがもし生きていたら…」でも説明しました。ということでクラウドのもっとも大切なモノについて考えてみようと思います。
・エアリスなのか?
ケットシーの占いでは「セフィロスに会えるか」という問いに対して「求めれば必ず会える、でももっとも大切なモノを失う」と占い結果が出ます。そして、セフィロスを追い続けた結果エアリスは殺されてしまいます。
このことから、ケットシーの占い+セフィロスの行動からも、もっとも大切なものはエアリスだったんだろうなと推測するのが普通の流れかなと思いました。
なんでクラウドにとってエアリスは大切だったの?恋愛感情があったかというのはさておき…その理由を考えてみたんですが…
エアリスといるときクラウドは楽しそうです。クールなはずなのに初対面で笑顔を見せたりします。エアリスと一緒にいるときは楽しいイベントが多いです。女装したりね。エアリスの性格が楽しくさせている部分もあると思います。
たぶんですが、クラウドは自分を元ソルジャーと思い込んでいてクールな自分を演じていて、ティファにはそのことがバレてほしくないから潜在的に怯えているのではないかと思います。だからエアリスの明るくて前向きな姿に癒されていたのかもしれません。
エアリスになら本当の自分が情けない人間だってバレてもいい、そう思わせる安心感がエアリスにはあるような気がします(母親的な包容力?)また、クラウドの中にあるザックスのエアリスをしたう気持ちも感じていたのかもしれません。
精神がオカシイ中、エアリスに救われていた部分が多いから、この時点ではクラウドにとってエアリスがもっとも大切なモノとなったのではと考えられます。
また、プレイヤーの受け取り方によっては、恋愛的な意味でエアリスのことをクラウドが好きだったと考えてよいと思います。(これについては好感度システムありきのプレイヤー次第ですが)公式小説でもエアリスとクラウドは恋人だったと明記がありますし…(無印以降の派生作品はプレイヤーの想像の余地を潰すものが多いので、個人的にはあまり推してはいませんが…、シナリオライターの野島さんはそう考えているのかも)
そんなかわいげのあるクラウドですが、ACでは「大切じゃないものなんてない」と答えをはっきり出しています。つまり、全てもっとも大切で全て守るといっているのです。
クラウドの迷いとの決別を意味するセリフなのではないかと思います。
なぜクラウドはそんな答えを出したのか。「この星を守る」という使命がそう言わせているのでしょうか…ハッキリとはわかりません。でもやっぱりエアリスやザックスを亡くしたというのが強く影響しているのではないかと想像できます。
エアリスは守れなかったけれど、エアリスが守りたかったこの星は自分が代わりに守らなければな
らない。ザックスを死なせてしまったけれど、ザックスが大事にしていた自分自身の誇りを守らなければならない。だから、「すべて大切」となるのかもしれません。(妄想しすぎ?)
本当のところはシナリオライターの野島さんに聞かなきゃわかりません。
・クラウドの自我?
それとも「大切なもの」についてエアリスではなく、クラウドの「自我」なのではないかという意見を聞くことがあります。セフィロスに会ったらクラウドが精神崩壊を起こしちゃったシーンからそう考える人がいるのかなと思いますが…。
そこは私はしっくりきません。そういう視点で見るなら、クラウドにとって大切なものって「本当の自分」だと思います。物語がスタートした時にはクラウドはすでに自分を見失っている偽りの人格の状態です。それは5年前に神羅とセフィロスによってすでに奪われてしまった後の状態だからです。
確かにクラウドはストーリーを進める中、セフィロスを追うことで精神崩壊を起こしてしまいましたが、それは、彼が本当の自分を見つけるために起きた「出来事」で「過程」です。
別に彼はこれについては何も失ってはいません。本当の自分を取り戻すために通るべき道だったというところなので、むしろ逆に「セフィロスに会えば、大切なものを取り戻します!」って占い結果になると思います。
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