FF7 REMAKE(リメイク一作目)の主題歌Hollow
FF7 REBIRTH(三作目)の主題歌No promises to keep
この二つの歌詞を見比べてストーリーを分析していきたいと思う。
クラウドとエアリスの歌
まずHollowはクラウド視点の曲。雨の中で独りたたずむクラウドの「大切なものを失った男の歌」であり、仮タイトルは「からっぽの雲」。雲にぽっかり穴が開いたようなイメージだとシナリオライターで作詞を担当した野島一成氏が明言している。
次にNo promisese to keepはエアリス視点の歌で実際にエアリスが歌う映像まで作中に用意されている。そして歌詞の内容がリンクしており、Hollowのアンサーソングだという見解がファンの間で広まっている。
どちらも英語の曲だが、公式による日本語字幕も用意されている。
とはいえ、英語歌詞のほうが情報量が多く、字幕では伝えきれていない部分があると思うので、英語歌詞の横に直訳も載せておく(私が個人的に翻訳したものです)
Hollowの歌詞(日本語直訳)
I would be lost 俺は迷子になる
Drifting along 漂流しながら
Flouting up high 流れて漂う
Time after time 何度でも
And there you’d be あなたが現れる
Shining brightly まぶしく輝く
Your smiling face あなたの笑顔が
The guide my way 俺を導く
Bloody and bruised 血まみれで傷だらけ
Brought to my knees 膝をついて
When broken up 壊れてしまったとき
You would appear, あなたは現れ
Reach out to me, 俺に手を差し伸べて
Heal every wound, すべての傷を癒してくれる
and make me whole そして俺を完全にしてくれる
Was it all a dream? すべて夢だったのか?
Will I never know? 俺は知らなかったのか?
Foolish and blind 馬鹿で盲目だった
To everything すべてに
Had I rearized, もし気づいていたら
Had I thought it though, もし考えられていたら
Whould you be here 君はここいてくれたのか
in my embrace? 俺の腕の中にいてくれたのか?
Shine bright 輝いて
Once more もう一度
Guide me 案内して
To you 君の所へ
Shine bright 輝いて
Once more もう一度
This time 今回は
I will never let you go 君を二度と離しはしない
With your every smile 君はいつもその笑顔の奥に
Hiding something more: なにかを隠していた
Dark mysteries 暗いミステリーを
Lurking beneath 奥に潜めて
But I was consumed でも俺は求めてばかり
With this emptiness- 空っぽの俺は
This selfishness, 自己中で
This void to fill 自分の空虚を埋めることばかり
Hear me 俺の声を聞いてくれ
Once more もう一度
Show me 俺に見せて
Your smile 君の笑顔を
This time 今回は
For sure 間違いなく
I'll see 俺は気づいてみせる
The truth hidden inside your tears 君の涙の中に隠された真実に
But I でも俺は
I know 俺は知ってる
That you're 君は
Long gone ずっと前にいなくなってしまったことを
But I でも俺は
I will 俺はこれからも
Go on 進み続ける
Howling and hollow 吠え続ける 空っぽだから
公式の日本語字幕
漂い 流れて
迷った 時でも
あなたの 輝く
笑顔が 導く
傷つき 倒れて
打ちひしがれても
あなたに 触れたら
すべては 癒され
浮かれてた?
そうかもな
何も 知らずに
気づくのが 早ければ
抱きしめられたかい?
もう一度 輝け
一度でいい 見つけるから
もう一度 笑って
今度は離しはしない
笑顔には 隠された
秘密が あったね
でも 俺は空っぽで
求めて ばかりで
もう一度 頼むよ
笑顔を 見せて
もう一度 今度こそ
涙の跡に 気づいて見せる
ああ わかるよ
あなたは いない
でも 俺は
叫び続ける
空っぽだから
引用元:FINAL FANTASY VII REMAKE ULTIMANIA p450
いかがだろうか。
どう考えてもクラウドが失ったエアリスに対する喪失感を歌った曲である。
簡単にまとめると「エアリスの笑顔がクラウドの傷を癒し心を満たしてくれていた。彼女が死んでいなくなったらクラウドの心はまた空っぽになった。もう一度、彼女の笑顔が見たい。もう一度、チャンスがあるのなら、今度は俺が彼女の悲しみに気づいてみせる。今度こそエアリスを離しはしない。運命なんて知るか、俺は叫び続けてやる!」
というような曲である。
では続いてNo promises to keepの歌詞を見てみよう。(トレーラーなどで公開されている範囲のものです)
No promises to keepの歌詞
I won't say that it was fate 宿命なんて信じない
I won't say that it was desteny 運命だなんて言いたくない
but if not, what could be it でもそうでなければ、これは何と呼ぶのだろう
that drew you towards me あなたを私の前に引き寄せたこの出会いは
could it be a chance? ただの偶然?
till the day またいつか
that we meet again 私たちが巡り合うその日まで
where or when いつ、どこで
I wish I could say と言えたらいいのに
But believe でも信じてる
Know that you'll find me あなたは私を探し出してくれる
Promeses to keep 約束なんて
We won't never need 私たちには必要ない
till the day またいつか
that we meet again 私たちが巡り合うその日まで
and a place あの場所で
Just let me believe 信じさせて
In the chance このチャンスの中で
Know that you'll take my hand あなたは私の手を取ってくれるとわかってる
And never let me go 二度と私を離さないで
Take my hands 私の手を取って
And believe we could be そして信じて 私たちは
Together ever more… これからもずっと一緒にいられるって
※fateとdestenyはどちらも「運命」だが、ニュアンスの違いがある。fateはネガティブな運命に、destenyはポジティブな運命に使われることが多い。
公式の日本語字幕
運命なんて
信じたくないから
この出会いは
ねえ、なんて呼ぼう
偶然?
明日も会いたいな
偶然あの場所で
信じたいの
約束なんていらないと
引用元:FINALFANTASY VII REBIRTHテーマソング発表トレーラー
追加で公開された歌詞(おそらく曲の歌いだし)
Walking city streets with worn cobblestone すり減った石畳 街を歩く
So many people rushing to rhythms all their own たくさんの人が自分の用事のために忙しそうに行きかう
公式の日本語字幕
あなたと出会った街は
忙しい足音にせかされて
引用元:ファイナルファンタジーVIIリバース中村倫也初プレイ動画
いかがだろうか。
こちらもエアリスがクラウドのことを歌っていると安易に想像できる歌詞になっている。出会った場所などを明確に提示することにより他のキャラでは当てはまらないようにしている配慮もみられる。
この曲は作中に登場する舞台Lovelessでローザ姫が歌う曲と想定される。舞台に登場する姫と騎士が、たとえ離れ離れになっても再び会いたいという願いをこめた「約束の地」について歌った曲だからだ。
クラウドとエアリスが出会った場所は、八番街の「Loveless通り」。
FF7のオープニングにあるとおり、石畳で人が賑わうミッドガルの街中。エアリスは花を売っていたが誰も彼女に見向きはしない。忙しそうに行きかう人々。中には彼女にぶつかり「再会の花」を踏みつける人まで描かれている。
そんな悲しい思いをしてもエアリスは「再会の花」を渡すために誰かを待っている。すると、そこに現れたのがクラウドというわけだ。
この曲に描かれているように、クラウドと「出会った」八番街は、花言葉の通り「またあの場所で会いたい」という「再会の場所」という意味もある。さらに、FF7リメイクでエアリスと出会うシーンの直前に流れている曲は「約束の地」。どうだろう。すべてがつながっているようには思わないだろうか。八番街のLoveless通りは出会いの場所でもあるが、再会の場所でもあるのだ。
クラウドとエアリス以外のキャラクターでは全く当てはまらない歌詞となっているので、スクエニは二人のロマンスを原作を超えてより濃く描く覚悟を決めてきていると感じる。
歌詞比較
注目すべきはやはり双方のサビの歌詞だろうか。
Hollow
Shine bright 輝いて
Once more もう一度
Guide me 案内して
To you 君の所へ
Shine bright 輝いて
Once more もう一度
This time 今回は
I will never let you go 君を二度と離しはしない
No promises to keep
till the day またいつか
that we meet again 私たちが巡り合うその日まで
and a place あの場所で
Just let me believe 信じさせて
In the chance このチャンスの中で
Know that you'll take my hand あなたは私の手を取ってくれるとわかってる
And never let me go 二度と私を離さないで
歌詞が似すぎ
Never let you go⇔Never let me go
似すぎ。
まるで会話してるかのように似すぎ。
サビの一番大事な部分がもろにアンサーソング。
しかも歌詞の内容的に男女の恋愛。ラブソング。
公式攻めすぎ。やりおったなという感じである(褒めてる)
曲を聴いただけでFF~!って感じで最高である。
作曲の植松氏、作詞の野島氏、素晴らしい。
もちろん主題歌はリメイクの世界観も説明している
クラウドが主人公で、エアリスを救いたいという想いが描かれた物語ということがわかるがそれ以外にも歌詞から読み取れる世界観がある。
それは、もしエアリスが死んでしまっても「もう一度巡り合うチャンスがあたえられた」世界だということ。もしかしたら1度でなくて、何度も二人は巡り合っているかもしれない。それはライフストリームの力なのかもしれないし、セフィロスの企みからなのかもしれない。
ループものみたいな感じで終わりのない世界を二人は旅をしているのかもしれない。
死んだら終わりじゃねーんだよ。愛する人とならば生き別れになってもまた会える。FF7はそういう世界観なんだ。
Hollow の歌詞からはエアリスは死んでしまったけどどうしても諦められない。もう一度会いたい、もう一度チャンスをくれ。というような想いが描かれている。
No promises to keepからは離れ離れになってもまたいつか巡り合える、約束などなくてもまた会える、その時は離さないで。というような想い描かれているからだ。
「約束の地」はどこなのか。原作では描かれなかったらラストが、ついにリメイクで描かれるのかもしれない。